財産塾かわらばん 12月号 相続税の税務調査と事前対策について(その一)

相続税の税務調査と事前対策について(その一)

企業経営者や資産家にとって頭の痛い問題が相続税。とくに「お巡りさんと税務署員に来られると、何もしていなくても不安になり、気持がよくない。」と
いうことをよく聞きます。
一定規模以上の相続には、必ず税務調査が行われるが、その実情はベールに包まれているといっても過言ではなく、調査を受ける側にとっては、不安この
うえないのが実情でしょう。今回は、相続税の調査と事前準備についてです。
最近相続税の税務調査が多いとよく聞きます。その税務調査の目的は、相続財産の申告もれの有無を確認するものです。

(一)相続税調査の種類

①強制調査と任意調査

(イ)強制調査とは、いわゆる査察調査のことですが、これは脱税犯を刑事訴追する
ための調査で、一般の税務調査とは異なります。
(ロ)任意調査は、一般的に実施されている調査です。言葉上は任意ですから、納税者
が拒否すれば、調査を強行できないように思われますが、相続税法上は間接的に
強制する仕組みとなっています。

②調査の進め方

(イ)その疑問が軽微なものであれば、〝呼び出し〟といわれる「税務署への来署依頼」
があります。指定日に関係資料を持参し説明して調査が終わる場合もあります。
(ロ)軽微なものでないものは、実地調査という、本格的な調査となります。実地調査
にも1~2日間で終わる簡易調査や7~8日間の実地調査もあります。遺産の
規模、内容によっては、1~3ヶ月を要する場合もあります。
(二)調査の内容

①調査の流れ

通常、相続税の調査は最低でも二人の調査官で行なわれます。それは効率的な調査と納税者とのトラブルを防止するためです。まず調査は死亡した本人の出身、経歴、趣味、親族関係や過去の所得税や法人税の申告書から相続税申告書の全体的適否を検討します。
さらに、毎年の収入関係や金の流れや財産の管理者、保管場所、貸金庫の有無について質問があります。質問の目的は、相続財産が流れて行きそうな関係先、人、物について目星をつけることです。

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